相続人の範囲について

相続コラム

相続人の範囲は、民法では下記の通り法律で決まっています。

原則:被相続人(亡くなった人)が死亡時に生存していることを要す

例外:基本、「出生前の胎児は、権利主体とならない」とされていますが、これを貫くと、胎児にとって不利益・不都合の生じることがあるため、民法は、胎児は権利主体ではないとの原則を維持しつつ、相続の場合には、胎児を特別に「生まれたものとみなして」相続権を保障するものとしています。

難しく書かれていますが、要は、亡くなった方の血の繋がりのある家族・親族は、相続人になるということです。

そして、相続人には順位があります。

絶対に相続人になるのは、被相続人の配偶者(妻又は夫)です。

婚姻関係のある配偶者とは、生前、金銭面や精神面でお互いに支えあってきた人です。その人に自分の財産を渡すということは、今までの苦労や感謝も含め、残された人生を楽しい人生にしてあげたいという、至極一般的な願いが昔から受け継がれてきているからです。

でも、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も相続してしまうので、できれば亡くなる前にマイナスの財産をどうするか、お二人で相談されたほうがいいかもしれませんね。

ちなみに、近年増えてきている「事実婚のパートナー(内縁の妻)」や「同性のパートナー」には、まだ法定相続権は認められていません。

戸籍法で規定されている「夫婦」の形でないと相続権は認められていない。日本のこの法律がいつか変わるときが来るのかはわかりませんが・・・

「事実婚のパートナー」や「同性のパートナー」にも相続財産を渡す方法はないとは言えません。

それは、生前に遺言書を作成しておけば、財産を渡すことができます。

”相続人ではない人に相続財産を渡す”という内容の遺言書作成した場合、正規の法定相続人は、自分の権利を侵害されたと家庭裁判所に「遺留分侵害額請求調停」を申し立てることができます(すべての相続人ではないので注意!)。

もし、「遺留分侵害額請求調停」を申し立てられて、家庭裁判所にて認められた場合には、法定相続人に本来法定相続分の半分を渡すこととなります。しかし、もともと「事実婚のパートナー」や「同性のパートナー」は相続権が発生しないので、”もらえなかった財産”が多少でも”もらえる”ことになるので、法定相続人から「遺留分侵害額請求調停」を申し立てられる可能性があったとしても、遺言書の作成はしてあげてください。

今までの人生で、自分が誰を大切にして誰に大切にしてもらったのか。

相続は、そんなことを考えながら整理していくと、いいかもしれませんね。

第1順位は子ども(代襲相続・再代襲相続あり)

第1順位相続人は子です。

被相続人の子が、被相続人が亡くなる前にすでに亡くなっていた場合は、子の子、つまり、被相続人の孫が代襲相続することとなります。直系卑属と言われる範囲です。ちなみに、直系卑属に関しては、際限なく代襲されます。

子→孫→ひ孫→玄孫・・・すでに主たる相続人が亡くなっていた場合の話なので、ここまで先にはいくことはあまりないですが・・・知識として覚えておいてもいいかもしれません。

配偶者の説明の際に、「事実婚のパートナー」や「同性のパートナー」は配偶者とはならないとお話ししました。それに伴い、戸籍法上「子」ではないと相続権も発生しません。

よく言われる「非嫡出子」または「婚外子」です。

しかし、

「非嫡出子」または「婚外子」は父親から認知されれば相続権が得られるます。

その為、婚姻関係のない男性との子どもを出産した際には、認知してもらうと子どもだけでも相続権が得られますので、相談してみてもいいかもしれませんね。

ちなみに、当たり前ですが、母親は病院で出産をした時点で、絶対に自分の子であることが証明されるので、認知とかは関係ないです。

ここで、私が相談を受ける際に、結構問題になる相談を紹介います。それは、

配偶者と前妻(前夫)との間の子どもへの相続です。

離婚・再婚は今や当たり前になってきています。それに伴い・・・

  • 何度も離婚・再婚を繰り返して、その都度子どもがいる人は、相続人が複数人いて、連絡が取れない相続人がいる。
  • 現配偶者としては、夫婦で貯めたお金を、なぜ前妻(前夫)との間の子どもに渡さないといけないのか。
  • 現配偶者との間に子どもがいなかった場合は夫婦間での揉め事に発展する。
  • 遺産分割がまとまらない

等々、相続により様々な問題が浮き彫りになってきます。

これらの問題対策手段としては、

  • 遺言書の作成
  • 生命保険の活用(受取人固有の財産となるので、相続財産とはならないためです)。
  • 事前に子どもに意向を伝える(子どもとの交友関係にもよりますが、事前対策としてはやれることはやったほうがいいと考えます。)。

などが生前対策として考えられます。

少しでも”今の家族”に残せる道を探してみる必要がありますね。

もちろん、夫婦として、血の繋がり関係なく、お互いの子どもにお金をきちんと残そうと考えるご夫婦もいますので、今ある財産相続人が誰なのか、全容を把握して、事前対策をすることが、相続を整理することの第一歩となると思います。

第2順位は親

第2順位は親です。

被相続人に第1順位の子がいない場合、第2順位の親(直系尊属)が次の相続人になります。

子とは違い、第2順位の親には代襲という概念そのものがありません。その為、被相続人が亡くなる前に、本来の相続人である父及び母が亡くなっていて、その上の世代である祖父母が存命の場合には、「存命している中で、被相続人に最も近い世代の直系尊属」が全員相続人になります。

親より先に子が亡くなる。何てこと本来であれば起きてほしくない状況ですが、そういったことが無いわけではありません。

相続とは、残された人のためにある法律です。

今現在、10年後、30年後、自分の相続人が変わっていることはあります。

そのため、相続整理は、1度だけではなく、定期的に行うことをおすすめします。FP相談でも、ライフステージごとにお金の相談を行うことで、日々の不安が払拭され安心感が生まれることがわかっています(日本FP協会の調査結果)。

相続整理も相談回数を重ねることで、安心した人生を歩むだけでなく、死後世界でも家族が安心して過ごせるために、まずは相談から始めてください。

第3順位は兄弟姉妹(代襲相続あり・再代襲相続なし)

第3順位相続人は兄弟姉妹です。

ちなみに、異母兄弟姉妹・異父兄弟姉妹でも相続権はありますが、法定相続分の割合が異なってきますので、ご注意ください。

兄弟姉妹に関してもその兄弟姉妹に子(被相続人の甥または姪にあたる存在)がいる場合、兄弟姉妹が被相続人が亡くなる前に亡くなっていた場合は、代襲相続され、甥・姪が相続人となります。

世に言われる「笑う相続人」という言葉の語源ともなる現象です(諸説あり)。

昔は年末年始に父方・母方の実家で集まると、自分の兄弟姉妹やその子、親の兄弟姉妹やその子(いとこ)や、交流関係が広い家庭では、はとこ(祖父母の兄弟姉妹の孫)と顔を合わして話をする環境がありました。

今では、実家に帰ることもなく、兄弟姉妹が結婚した・出産したことすら知らない人もいます。

そんな、親から名前だけは知っている叔父(伯父)や叔母(伯母)の遺産を急に受け取ることとなった相続人は「棚ぼた」状態ですからね。「笑う相続人」と言われてしまうのは仕方ないことなのかもしれません。

しかし、甥・姪までは代襲相続されますが、子・孫・ひ孫のように、甥・姪は被相続人との関係がそこまで深いとは考えられないため、甥・姪の子までは再代襲されないことになっています。

相続人の予備的知識

実は、法定相続人ではない人に相続をさせたい場合、遺言書作成ではなくほかの方法もあります。

それは、

養子縁組をすることです。
養子縁組をした人は被相続人の子と同じ法定相続人の地位(第1順位)になります。

どんな人が養子縁組にされるかというと、

  • 配偶者の連れ子(被相続人とは血の繋がりなし)
  • 子の配偶者
  • 孫(子が生きていると相続人にはならないため)

等が考えられます。

普通養子縁組の場合、実の親の相続権も維持されますし、相続対策で養子縁組されるケースも少なくありません(基礎控除に法定相続人の人数が関係してくるため)。

最近の相談であるのは、「子の配偶者に介護をしてもらったのでそのお礼をしたい。」といった相談です。しかし、子の配偶者には相続権がありません。

その為、お金をお礼として子の配偶者に渡すと、贈与税がかかってしまいますので、受け取った側の負担も少なくありません。

税金だけ見ると「相続」のほうが有利なことが多いです。

相続は奥が深く、よくわからないと言われる分野です。

まずは、自分の相続人が誰になるのか。を書いてみることから始めてみましょう。

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